インフルエンザ17

インフルエンザ17

ワクチン

ワクチンはなぜ必要か
 ワクチンとは、病原体の抗原を接種して、感染部位や血中にそれに合う抗体をあらかじめ作らせ、抗体による免疫機構で感染を防いだり、回復を早めたりするものです。ワクチンには、生ワクチンと不活化ワクチンがあります。


生ワクチン
 病原性を弱くしたあるいは無くした病原体を使ったワクチン。感染の際の病原体の侵入経路と同じ取り込み方(投与の仕方)なので(例えば、経口感染するものは経口投与)、感染部位で働く抗体ができるため、感染の防止に有用です。

不活化ワクチン
 病原体そのものでなく、抗原を注射等により投与するもの。通常、血中に投与されるため、病原体の侵入経路と一致しないことが多く、感染を防ぐ効果は生ワクチンほど期待できません。血中に抗体ができ、感染してしまった場合の準備が整っているような状態なので、症状が軽くなります。
 
 日本で接種されているインフルエンザワクチンは不活化ワクチンです。A型とB型の混合ウイルス抗原を注射します。不活化ワクチンの接種で血中にできる抗体(IgG抗体)は、抗原との特異性が高いため、ウイルスの抗原性が少し変化すると、その作用がなくなってしまいます。それで、世界保健機関(WHO)が推奨したウイルス株を基本にして、日本の前シーズンの流行状況や健康な人の持っている免疫状況などから予測してワクチンが作られます。

参照 感染と予防Web インフルエンザ

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インフルエンザ16

インフルエンザ16

環境の清掃はなぜ必要か
 咳やくしゃみなどで飛散したウイルスは、湿度などの環境条件に応じて徐々に感染性を失っていきますが、しばらくの間は、空気中を浮遊したり、環境の表面に付着して、感染する機会をうかがっています。


また、鼻水や唾液、痰などの分泌物がついた手で触れたりして、環境表面はウイルスで汚染されていきます。ウイルスはドアの取っ手、テーブルの表面で2時間あるいはそれ以上の時間、生存可能であることが知られています。

手で直接触れにくい場所や、十分な湿度があればインフルエンザウイルスの環境での生存期間は短いので、通常の清掃で十分だと考えられます。

よく手が触れる場所や、明らかに目に見える呼吸器分泌物(痰や唾液など)で汚染されている場合には、消毒薬を用いて拭き取っておく方がよいと思われます。

インフルエンザウイルスは消毒薬に対する抵抗性が強いウイルスではありませんので、ほとんどの消毒薬が有効です。アルコールはすぐに乾くので、広い範囲でなければ、環境表面を拭き取るのに便利です。

埃などは、のどを刺激して、のどの防御機構を弱くすることがあります。また、異物は細菌などが感染するきっかけにもなります。このような観点からも、環境の清掃は必要です。

インフルエンザを発症している人が使用した衣服にはウイルスが付着していることが予想されますが、感染を起こすことはまれだと考えられています。使用後は、通常の洗濯、乾燥をすればウイルスの感染性はなくなると考えられます。

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インフルエンザ15

インフルエンザ15

湿度管理
 空気が乾燥すると、繊毛運動などの、のどの粘膜の防御機能が低下してインフルエンザにかかりやすくなります。

また、空気中の湿度とインフルエンザウイルスの生存率について、相対湿度50%でウイルスの生存率が急速に低下するというデータがあります。相対湿度ですので、室内の温度により生存率への影響は多少あるかもしれませんが、部屋が乾燥しないようにすることによって、インフルエンザの感染を防ぐことができます。例え飛沫核が部屋に浮遊していても、ほとんどのウイルスは感染性を失っていると考えられます。

ただし、湿度が高くても数時間では10分の一近くのウイルスが生存している可能性があるので、まめに部屋を換気することも必要です。


湿度がインフルエンザの流行においても重要であるといわれており、絶対湿度5g/m³以下で流行が始まるという報告があります。絶対湿度5g/m³以下は、空気中に飛散したウイルスが6時間後に50%生存する条件で、冬期は気温が低いので絶対湿度が低く、このような条件になりやすいので、インフルエンザの流行が起こるというわけです。


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インフルエンザ14

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マスク


マスクがなぜ必要か
 症状のある人がマスクをすることで、咳やくしゃみの飛沫をマスクの内にとどめ、環境周囲への飛散をある程度防ぐことができると思われます。ウイルス自体の大きさ(100nm〜1000nm)は、マスクの目に比べるとはるかに小さいものですが、飛沫はその大きさや表面の電荷(帯電)によって、マスクに捕捉されます。


最近では「エチケットマスク」という言葉も使われるように、マスクはまわりの人にうつさないための気配りが必要です。病院を受診するときはマスクをしましょう。

感染していないヒトがマスクをすることで、飛沫の吸入を抑えるだけでなく、汚染された手で鼻や口を触る機会が減り、接触感染の防止になります。のど周辺の乾燥を抑え、のどの防御機能が低下するのを抑える効果をうたったマスクもあります。

ただし、症状のない人が感染していないとは限りません。インフルエンザ感染者は発症の1日前から感染性があります。したがって、流行時期には、症状のあるなしに関係なく、マスクを着用することによって、周囲へ感染が広がるのを抑える効果がより高くなると考えられます。

どんなにマスクの性能がよくても隙間があると効果は半減しますので、マスクは鼻と口にぴったりフィットするものを選ぶことが大切です。

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インフルエンザ13

インフルエンザ13

手洗いのタイミング

帰宅時

咳やくしゃみの後

健康管理としては、トイレの使用後、食事の前。

インフルエンザだけでなく感染防止の観点からは
血液などの体液、汚物などを扱う作業をした後、見た目に汚れているかどうかに関係なく、手を洗いましょう。手袋をしていても、外した後は手を洗います。
傷口に触れる前後も手を洗います。


WHO(世界保健機構)が示すインフルエンザ予防のための手洗いすべきとき

• 手袋を外した後
• 患者との接触の前後
• 感染性物質に汚染された表面に触れた後
• 血液や体液に触れた後
• サンプルを採取した後
• 患者の血圧や脈拍の測定の後
• トイレを使用した後
• クシャミや鼻をぬぐった後
• 調理や食事の前
• 隔離部屋を離れる場合


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インフルエンザ12

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手洗いのポイント

 インフルエンザウイルスは、エンベロープという脂質性の膜をウイルス粒子のいちばん外側にもっており、この膜にウイルスが細胞に感染する上で重要なHAやNAがあります。

エンベロープは、ウイルス増殖して細胞から出るときに、被って出て来るもので、したがって、ヒトに感染するウイルスは、その成分がよく似ています。エンベロープは、脂質性(水に溶けにくく油に溶けやすいような性質)のため、エタノールなどのアルコールによって簡単に壊されます。エンベロープを壊されたウイルスは、感染に重要なたんぱくなどを失うので、感染性がなくなります。

エンベロープを持つウイルスは、消毒剤などに対する抵抗性が一般に弱く、作用の穏やかなものでも効くことが知られています。

石けんなどの界面活性剤は、脂質性の相互作用で付着したウイルスを落としやすくすると考えられます。また、殺菌剤などを含むものは、エンベロープに作用してウイルスの感染性をなくす効果も期待できます。より確実に行いたい場合は、手洗い後に速乾性のアルコール製剤を使用するとよいでしょう。


汚れが目に見えて明らかなときは、石けんと流水(またはお湯)で手を洗いましょう。

石けんと流水が使用できないときや汚れが明らかでない場合は、アルコール系の速乾性手指消毒剤が利用できます。

お湯の使用や、頻繁な手洗い、手指消毒は手荒れに繋がることがあります。手荒れがあると手洗いがおろそかになりやすいので、手洗い、手指消毒が多くなる流行シーズンは、手肌のケアも大切です。

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インフルエンザ11

インフルエンザ11

手洗い

手洗いがなぜ必要か
 手洗いは、感染を防ぐ上で非常に重要であることは、世界の常識になっています。かぜの予防といって真っ先にあがるのも、この頃は手洗いです。インフルエンザウイルスはかぜのウイルスより感染力が強いため、咳やくしゃみで出た飛沫を直接吸込んで感染することが多いようですが、飛沫で汚染された手指や物、周囲環境の表面から手を介する接触感染も経路のひとつです。

インフルエンザの流行時期には、電車の吊革や公衆電話の受話器、ドアノブなどから多くのウイルスがよく分離されるそうです。ドアの取っ手、テーブルの表面で2時間あるいはそれ以上の時間、ウイルスは感染性をもっていることが知られています。

手洗いは、ふたつの観点から、インフルエンザの感染防止に重要です。

自分が感染していない場合、手洗いによって手指を介する接触感染を防ぐことができます。

自分が感染(発症)している場合は、汚染された手指を介する周囲環境を汚染を抑えて、接触感染によって周りの人に広がるのを防ぐことができます。

手洗いの有効性

• ライノウイルスによる実験で、だ液などがついた手から手を介して、15人中11人がかぜに感染したことから、かぜの感染において、手指による自己接種が感染ルートとして重要であることが示されています。

• 子供や若者の集団において、手洗いの励行によって呼吸器疾患の罹患率の低下や欠席日数の減少がみられたという報告があります。



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インフルエンザ10

インフルエンザ10

うがい

インフルエンザ流行時のうがい
 インフルエンザの流行期間中は、のどに付着したウイルスや感染の手助けをする細菌をより確実に殺菌するために、殺菌力の強いヨウ素系うがい薬でうがいをするのがよいと思われます。

ただし、ヨウ素系うがい薬にはいくつかの欠点がありますので、注意が必要です。まず、独特の味があり、また刺激性が比較的強いため、好まない方もいますし、ヨウ素アレルギーの方もいます。日本人ではあまり問題になりませんが、血中のヨウ素濃度を高め、甲状腺異常の原因になるという指摘もあります。また、口腔やのどの常在細菌に影響を及ぼし、感染を起こしやすくするおそれがあります。

したがって、ヨウ素系のうがい薬を使用する場合は、自分の周辺に流行している時だけなど、比較的短い期間を決めて使用するのがよいと思われます。


うがいのタイミング
• 帰宅時
• 人込みから出た後
• のどが乾燥したとき、調子が悪いとき
• 空気が乾燥しているとき
• 静養している方の居室に入るとき
• 口腔内の菌数が1日のうち一番多くなる、朝起きたとき、など。
健康管理には、毎日定期的に。ちょっとした休憩やトイレにいったときなど、ついでにうがいをという感じで、毎日数回のうがいが習慣になることが、大切で効果的だと思われます。

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インフルエンザ9

インフルエンザ9

うがい

うがいの方法

1.うがい液を口に含み、唇を閉じてほっぺたの筋肉を動かし、「クチュクチュ」と口の中を洗います。
2.次に上を向いて、「オオオ...」と声を出してのどを洗います。声がふるえはじめると、それはうがい
 液が口蓋垂の奥へ届いている証拠です(初めてのときはちょっとビックリします)。
3.冷たいうがい液が、口の中で温かく感じられてきたら吐き出します。
4.この(1)〜(3)の行為を数回繰り返します。


うがい薬の選択
水だけのうがいでもかぜの予防効果があることが実証されましたが、適切なうがい薬を使用すれば、その効果がより高くなることが期待できます。

日常的なうがい
 健康管理のための日常的なうがいには、安全性が高く、作用の穏やかなうがい薬が有用と思われます。殺菌力はヨウ素系うがい薬と比較すると弱いものの、洗浄力があるため、殺菌とともに洗い流す効果が期待できます。

参照 感染と予防Web インフルエンザ 

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インフルエンザ8

インフルエンザ8

うがい

インフルエンザに対する効果
 インフルエンザの予防にうがいは効果がないのではないかと、その根拠としてよくあげられるのが、「インフルエンザウイルスは気道の粘膜に取り付くと約20分で細胞の中に取り込まれるが、20分毎のうがいは現実的でない」というものです。

ところが、紅茶による1日2回のうがいによって、インフルエンザの罹患率が低下したと専門誌に報告されています。 紅茶の予防効果は、その成分(カテキン)がウイルス粒子のスパイクへに付着して、細胞への吸着を阻止するためとされています。カテキンの効果については議論のあるところで、うがいによる洗浄効果によるものかもしれませんが、いずれにしても細胞の中に入ったウイルスに効くわけではありません。それでも、予防効果が見られたということは、ウイルスの侵入や吸着、細胞への取込み は、1日中絶えず起こっているわけでもないのかもしれません。また他の要因によって、ウイルスの取り込みが遅いことがあるのかもしれません。

とにかく、うがいは、インフルエンザを含めかぜのような感染様式をもつ感染症には一定の効果は期待できると思われます。

口腔内や咽頭に存在する細菌(黄色ブドウ球菌、緑膿菌、インフルエンザ菌、セラチア菌、肺炎球菌など)は、プロテアーゼやノイラミニダーゼを産生し、歯周や咽頭の粘膜を覆っている粘液層を破壊し、上気道粘膜細胞がもっているインフルエンザウイルスなどのウイルスに対するレセプターを露出させることによって、ウイルス粒子の粘膜細胞への吸着を高めるといわれています。ノイラミニダーゼはインフルエンザのHAの開裂を促進させて、増殖したウイルスが細胞の外に出るのを助けます。したがって、ウイルスに直接効果がないとしても、うがいは、口腔内のプロテアーゼなどを産生する菌を減少させ、インフルエンザウイルスの活性化を阻止することによって、インフルエンザウイルスの感染を予防する効果が期待できます。

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