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2008年10月12日
まだ高卒2年目で…坂本が全試合先発出場
 足が震えた開幕戦から197日。主力選手としてレギュラーシーズンを終えた坂本はグラウンドに一礼した。高卒2年目の全試合先発出場は、87年の清原(西武)以来21年ぶり3人目。セ・リーグでは史上初の偉業に「ホッとしてます。今年は長いようであっという間でした」と大人びた表情で振り返った。

 打率・257、8本塁打、43打点。今季最終戦でも7回に同点打など2安打2四球で勝利に貢献した。「すべての面で経験できた。周りに支えてもらったおかげ」。同僚の山口とともに新人王候補の19歳は、周囲への感謝も忘れなかった。

 08年、スタートも神宮球場だった。3月28日の開幕ヤクルト戦は「8番・二塁」。チームでは94年の松井(現ヤンキース)以来14年ぶりに10代開幕スタメン。2戦目以降は右ふくらはぎを痛めて2軍落ちした二岡に代わり、遊撃を守り続けた。だが執ような内角攻めもあって、7月まで打率は2割台前半に低迷した。

 復調のきっかけも神宮だった。8月19日の試合前、坂本は関係者以外のグラウンドへの侵入を規制する約3メートルの棒を手に素振りした。「思いつきです。全身をつかわないとうまく振れないですね」。あの松井も入団当初はグラウンド整備用のとんぼで素振りを敢行。高橋由も竹竿を使用した。何でも取り入れようとする向上心。8月下旬以降、打率が2割5分を下回ることはなかった。

 急成長を遂げた今季だが、ゴールはまだ先だ。「CS?初体験なので、先輩に聞きながらですね」。過去は振り返らない。19歳は限りなく広がる未来に目を向けている。

2008年10月12日
ラミキング!村田に並んだ45号!!王超え125打点
 ◆ヤクルト2―3巨人(11日・神宮) 主砲・ラミレスがシーズン最終戦で有終の45号を放ち、2冠の可能性を残した。7回無死から左越えへ放った一発で、残り1試合の横浜・村田に並んだ。タイトル獲得が確実な打点は、シーズン125まで伸ばし、王貞治を超え、長嶋茂雄に並び球団歴代3位となった。19歳の坂本はプロ野球史上3人目となる高卒2年目で全試合先発出場を果たし、7回に同点タイムリーを放った。84勝57敗3分けでレギュラーシーズンを終え、22日からクライマックスシリーズ第2ステージに臨む。

 打った瞬間、右拳を掲げた。ラミレスが初めて自分のために狙って打った。「村田に並べてうれしいよ」重圧から解放されてベンチに戻ると、喜びがわいてきた。

 2度目のキングを引き寄せる待望の一発だ。2打数無安打で迎えた7回先頭。川島亮のカウント1―0からの、顔の高さのつり球をパワーで左翼席まで運んだ。「高めを意識していた。フルスイングしようと思った」横浜・村田に並ぶキングタイの45号は同時に、2004年のローズに並ぶ、球団外国人のシーズン最多本塁打。自己最多の125打点は、王貞治氏(前ソフトバンク監督)を抜き、長嶋茂雄終身名誉監督に並ぶ球団史上3位。「すべて神に感謝したい」と頭を下げた。

 これまで「巨人の優勝しか考えていない」と言ってきたが、最終戦だけはわがままを通そうと思った。「自分のために? そうだね。すこしだけそういう気持ちもある」とタイトルだけを意識して打席に入った。普段通りにと、打席数の多い1番ではなく4番に据えた原監督も「打てる球はあの1球だけかな。価値があります」と勝負強さをたたえた。

 海の向こうで頑張る仲間にも負けてはいられない。親交が深く、シーズン中に何度も連絡を取った、ドジャースのマニー・ラミレス外野手(36)、ヤクルト時代の同僚、レイズの岩村明憲内野手(29)がそれぞれリーグ優勝決定シリーズに進んだ。M・ラミレスはラミちゃんの本塁打数を聞くと「うそだろ! すげーな。あいつは本当にナイスガイなんだよ。健闘を祈ってる」と笑った。岩村とは「お互いどっちが長くシーズンを戦えるかな」と笑い合った。

 主砲のアーチが逆転劇を呼んで、チームも有終の美を飾った。前夜はビールかけの後、原監督が東京ドームホテルのスイートルームを借り、コーチ陣と “打ち上げ”を行った。「(午前)2時くらいまでやったかな。胴上げも、高さ、形といいみんなの気持ちや感情がこもっていた。東京ドームなら天井に当たっていたよ」と指揮官はうれしそうに振り返ったが、試合が始まれば、4盗塁と足も絡めてしっかり接戦をものにした。

 8回の今季最終打席は三振に倒れたが、史上6人目の2球団キングのチャンスを残して、横浜の最終戦を待つ。「現時点で僕は本塁打王。明日、村田が打てばそれはそれで敬意を表したい」最後まで4番らしく戦って08年のシーズンを終えた。人事は尽くした。後は天命を待つだけだ。