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ジンクス
古今東西の歴史もの、経済ネタ、健康ネタ、人生訓、ビジネス書、語学学習ものなどを気ままにご紹介します。 ベストセラーや話題の新刊というよりは、いつ読んでも役に立つ本、時流に関係なく面白く読める本をマイペースで取り上げられたらいいと思います。
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2010年08月14日
世界は感情で動く 行動経済学からみる脳のトラップ
人間の脳は「事実」に基づいて判断してようで実はそうではない、そのような「脳のトラップ」を1つ1つ解説してゆく構成になっています。
 人間の経済行動を脳科学の研究者の立場から解説した書です。まだ読んではいないのですが「経済は感情で動く」という連作もあるようで、いずれもベストセラーになっているようです。

 内容はもう少し経済活動ベースのものかと思っていましたが、それだけでなく生活のさまざまなシーンでここに紹介されているような事例が実感できるのではないでしょうか。行動経済学ということばはよく知りませんが、個人的には心理学の著作の1つとして面白く読める読み物ではないかと思います。ただしビックリするような新しい発見があるというよりも、心理学を齧った人であれば、知っていることばがたくさんあるのではないでしょうか。

 ただこの本の面白いところは、我々がふだんなぜかそのように判断してしまったり、行動してしまうのはなぜなのかを脳科学の立場からきちんと解説してくれるからではないでしょうか。
 たとえば私は何かを決断しなければならない場面で、よく「いまこれをやらないとあとで必ず後悔する」という理屈で自分自身を説得する場面があるのですが、これなどまさに「後悔の理論」ということばで説明されています。
 個人的には筆者がよく引用するエピソードが面白く読めました。「コノンの千里眼」のような紀元前の時代の英雄たちのエピソードは、人間の性質が何年たっても基本的には変わらないことを教えてくれています。

 もうひとつ、この書で紹介されている調査結果で面白かったのは、カーネマンとシュケードが行った調査で、年収10万ユーロ以上のひとは銀行預金が極めて乏しい人と同様のいらだちや不快感を抱え、同じほどの時間をストレスのたまる不快な仕事に費やしているという調査結果です。つまり年収と幸福感が必ずしも比例するわけではないということのようです。

マッテオ・モッテルリーニ著 泉典子訳
紀伊国屋書店

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