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古今東西の歴史もの、経済ネタ、健康ネタ、人生訓、ビジネス書、語学学習ものなどを気ままにご紹介します。 ベストセラーや話題の新刊というよりは、いつ読んでも役に立つ本、時流に関係なく面白く読める本をマイペースで取り上げられたらいいと思います。
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2010年08月26日
佐藤可士和の超整理術
ものを整理するのが苦手なので、タイトル通り整理術の本かなと手にとって見たら良い意味で期待と違いました。
これは整理術というよりはむしろ、発想法じゃないかと。しかしなぜこのタイトルなのかは読んでみるとわかります。著者が言うように、「すべては整理から始まる」からなのです。整理をしないと物事の本質が見えて来ない、と佐藤氏は言います。

 レベル1は空間の整理、これによってプライオリティをつける。たとえば身近にあるかばんの中身は本当に必要なものか?たまには手ぶらで行ってみると本当に必要なものがわかる、といった投げかけから、自分の環境を1つ1つ見直していきます。

レベル2は情報の整理、独自の視点を入れる、ここで紹介されているのは国立新美術館のシンボルマークを受注したときのエピソードが紹介されています。クライアントから与えられた情報からはさまざまな問題点が見えてきて、「強い視点」が見えて来ない。そんな中でどんなことを考え、どうやってシンボルマークにアプローチしたのかが説明されています。1つヒントとして紹介されているのが、迷ったらクライアントに説明している「具体的なシーン」を思い浮かべる、という方法。これはビジネス一般に応用が利く方法ではないかと思います。

レベル3は思考の整理、思考の情報化ということばが出てきますが、製品のコンセプトやコーポレートアイデンティティをどのようなやり方で作っていくのかが具体的な事例で紹介されています。
 ユニクロの事例も出てきますが、私が面白かったのはドコモN702iDの開発のエピソードです。なんでもこれは100万台を超えるヒット商品になったそうですが、佐藤氏は依頼されたときに浮かんだ製品の「佇まい」のコアにあるものは何かと自らに問いま。そして最終的に「コンセプトは潔さ」に辿り着きます。そして「潔いケータイをつくりたかった」と発表するわけです。

 ふつうの人だったら、「潔い」では伝わらないのでもっと機能的なことばで製品をアピールしたくなるのでしょう。しかしそれではコンセプトがはっきりしなくなり、他社製品とも差別化できなくなる。「潔い」ということばを見つけたからこそ、この製品の特徴が際立ったことがよくわかるエピソードです。
 
佐藤可士和
日本経済新聞出版社

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2010年08月14日
世界は感情で動く 行動経済学からみる脳のトラップ
人間の脳は「事実」に基づいて判断してようで実はそうではない、そのような「脳のトラップ」を1つ1つ解説してゆく構成になっています。
 人間の経済行動を脳科学の研究者の立場から解説した書です。まだ読んではいないのですが「経済は感情で動く」という連作もあるようで、いずれもベストセラーになっているようです。

 内容はもう少し経済活動ベースのものかと思っていましたが、それだけでなく生活のさまざまなシーンでここに紹介されているような事例が実感できるのではないでしょうか。行動経済学ということばはよく知りませんが、個人的には心理学の著作の1つとして面白く読める読み物ではないかと思います。ただしビックリするような新しい発見があるというよりも、心理学を齧った人であれば、知っていることばがたくさんあるのではないでしょうか。

 ただこの本の面白いところは、我々がふだんなぜかそのように判断してしまったり、行動してしまうのはなぜなのかを脳科学の立場からきちんと解説してくれるからではないでしょうか。
 たとえば私は何かを決断しなければならない場面で、よく「いまこれをやらないとあとで必ず後悔する」という理屈で自分自身を説得する場面があるのですが、これなどまさに「後悔の理論」ということばで説明されています。
 個人的には筆者がよく引用するエピソードが面白く読めました。「コノンの千里眼」のような紀元前の時代の英雄たちのエピソードは、人間の性質が何年たっても基本的には変わらないことを教えてくれています。

 もうひとつ、この書で紹介されている調査結果で面白かったのは、カーネマンとシュケードが行った調査で、年収10万ユーロ以上のひとは銀行預金が極めて乏しい人と同様のいらだちや不快感を抱え、同じほどの時間をストレスのたまる不快な仕事に費やしているという調査結果です。つまり年収と幸福感が必ずしも比例するわけではないということのようです。

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2010年08月06日
ユニクロ型デフレと国家破産
以下は著者が主張されていると理解したことの一部です。

ユニクロの服のように、モノの値段がどんどん安くなって皆喜んでいるが、消費者はすなわち生産者でもある。モノの値段が安くなる代わりに賃金なども下がってゆくのだから、結局は消費者にもつけは回ってくる。最終的には消耗戦になって、全体で見ればほんの一握りの人しか得をしない社会になる。

ギリシアの国家財政の破綻が問題になっているが、日本はもっとひどい。日本人が日本の国債を買って支えているから何とか国債の格付けも保てているが、このままでは国家は破産する。

各章の構成を引用させてもらいます。著者の他の著作を読んだことがある方であれば、内容は想像できるところがあろうかと思います。

・ ユニクロ型デフレとは何か
・ グローバル・ジャングル
・ 国際バブルと金融再暴走
・ 国家総破綻
・ 通貨大混乱
・ 第3次グローバル化時代
・ 二十一世紀型への処方箋

この方の著作としては「ドル終焉」も読みました。双方とも状況説明が巧みで、消費者の視点から訴えかけてきます。
 しかしながら、「ユニクロ型」の説明に出てくるデフレは、本来の意味での「デフレ」なんでしょうか。いままで製販を国内で一緒にやってきた分野が、労働力や製造・物流をグローバル化したことによって適正価格化したということではないかと思っています。間違っているかも知れませんが、どなたかご指摘願えれば幸いです。

 もちろんこれまで利益を得ていた人が得られなくなることは問題ですが、もう時代を元には戻せないだろうと思います。
 日本の物価は世界標準に比べて高かったが、「一億総中流化」の時代だったのであまり意識せずに済んだということなのかも知れません。

 おそらくユニクロの社長の柳井さんはモノの値段を下げてモノをどんどん供給し、日本人の生活水準を向上させるというかつての松下幸之助さんの「水道哲学」のようなことを考えているわけではなく、世界のアパレル産業と互角に渡りあえる産業を育てたいと考えているのでしょう。
 とすれば、もっと格差が極端に広がっていくのかも知れません。

浜矩子
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2010年07月13日
グーグルのグリーン戦略
この本を読むと、グーグルがどこまで環境問題を考えて実際に何に取り組んでいるか、よくわかります。グーグルの社屋敷地内にも太陽光パネルがたくさん設置されているなんてこの本を読んで初めて知った次第です。でもってそのパネルの設置パターンを変えて効果検証をしているとか、さすが!
でもすごいですね、環境問題を単なる企業の社会的責任としてではなく、ここまで企業戦略に生かすように考えているのかと。さすが国家を巻き込んで中国と喧嘩しちゃうだけあります。そういえば中国当局はグーグルの中国での免許更新を認めたようです{7月10日付ニュースによる}。


新井宏征
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