2010年07月30日
世界のビール図鑑
 昨日は久しぶりに全国的に30度を下回ったようですが、今年は暑い日が続きますね。
週末はビヤホールにでも行こう!という方も多いのではないでしょうか。そこで涼しくしてくれる写真集、第2弾です(第一弾は7月19日の「上高地」です)。

 そもそもビール大好き人間なのですが、世界にはこんなにも数多くのビールがあるとはあらためて驚きです。1つ1つのユニークなラベルやボトルのデザインを眺めているだけでも楽しくなってきます。
 それぞれが色彩豊かで、遊び心満載です。SKA(スカ)というUSAのビールなんかは、ボトルからはどうみてもビールに見えません(笑)。お味のほうも「終始チョコレート味とカラメル味が持続」だそうですが、とにかくユニークです。
 日本のビールは社名と製品名ばかりが目立ち、綺麗だな、とかいいデザインだな、楽しいな、というのがないのがさびしいところです。

 またこの本の優れているところは、それぞれのビールの製法や味わい方だけでなく、有名な酒場や都市の写真も多く取り入れているところです。
たとえばミュンヘンのホフブロイハウスはドイツでもっとも有名なビヤホールだそうですが、その絵を見ていると、自分も夏の暑い日にオープンテラスでグイッとエアブロイあたりを飲んでみたいなあという気持ちにさせてくれるのです。

 ビールと料理の組み合わせも、多数紹介されています。英国では「スタウトには昔から牡蠣と決まっている」とか、「モルトの甘いフレーバーは、豚肉などの自然な甘みと調和して最高の組み合わせになる」といった解説が写真と共に。
正直、ビールと料理の組み合わせなんて考えたことはほとんどありません。なるほどそこまでちゃんと考えるとね、ビール選びも楽しいよなあ!と思えるのです。

 現実的な問題として、これらのビールが日本ではどこで買えるのか?のガイドがあると私としては満点でした(笑)。

 あと1つ残念なのは、表紙のデザインです。もう少し何とかできたんじゃないかな、と。タイトルもあまりに一般的過ぎるので、もう少し世界各国のビールのラベルを見習って、遊び心満載のユニークなものにしてもらえたら、もっと楽しめると思います。

編集主幹 ティム・ハンプソン
NEKO PUBLISHING

世界のビール図鑑

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2010年07月29日
バフェットの財務諸表を読む力
この本は、以前にもご紹介した、投資の神様といわれるウォーレン・バフェット氏が財務諸表を読むときの観点や原理原則が1つずつ解説されるしくみになっています。

まずはこの言葉でバフェットの投資哲学を再確認です。
「ウォール街は動くことで金が転がり込んでくる、あなたは動かないことで金が転がり込んでくる」

以降は、損益計算表、貸借対照表の読み方が続いていくのですが、いくつか引用させてもらいましょう。
「販売および一般管理費は、一貫して低いことが望ましい」これは常識的に理解できますね。

「減価償却費はきわめて現実的なコストである。利益を計算するときに除外すべきではない」
これはちょっと説明が必要かも知れません。つまりこういうことのようです。永続的に競争優位性を保つ企業は、過酷な競争に苦しんでいる企業に比べ、粗利益に対する減価償却費の割合が低くなる傾向がある、と。たとえばバフェットお気に入りの銘柄の1つ、コカコーラは6%、P&Gは8%。でもGMは22から57%の間を行き来している、と解説されています(いつの時点の数字かは不明)。

 このような、各企業の財務諸表を読むときの判断基準が1つ1つ紹介されています。

 彼は数字で企業のすべてがわかるわけではないともいいます。ゆえに、どんなに凡庸な経営者でも舵取りを間違えそうにない企業をねらえ、とも別の本で述べています。

 それでも、財務諸表を読むことは基本中の基本のようです。株主総会開催に伴い企業から送られてくる営業報告書や決算書をちゃんと読めないようなひとは、そもそも投資を考えるべきではないということなのかもしれません。
 
 でも一般の投資家があれを読むのは一苦労ですよね。

メアリー・バフェット&デビット・クラーク
峯村利哉 訳

史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力 大不況でも投資で勝ち抜く58のルール

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2010年07月28日
ビジネス交渉の英語
「ビジネスミーティングの英語表現」がとてもよかったので、続編がないかと思って探したら見つけたのがこれです。今度はネゴシエーションの英語です。

先のミーティング版とほぼ同じような構成ですが、私はこちらの例文の方が交渉ごとにテーマが絞られている分、ピンポイントでの役立ち度はさらに高いと思っています。
実際にこの2冊で相当仕事に使える表現や語彙が増えました。

 この本は初級〜中級レベルの学習者をターゲットにしていると思われますが、特に初級レベルの方であれば、各交渉シーンごとの「Vocabulary Note」に出てくる語彙を完全にマスターすることを意識されるといいでしょう。もちろんここでも、この各シーンの表現を実際に使ってみることは大事です。

 またこの本でも要所ごとに「相手の感情を損ねずに話題を変えるコツ」などのコラムがあり、これは読み物としても面白いものです。

 ところでやってみて思ったことですが、語学というものは単に覚えようとか、使えるようにしようと意識しすぎると、辛くなって長続きしない傾向があります。かくいうこの私もムラがある性格なので、ちょっとしたことですぐにやりたくない言い訳を見つけては挫折するのです。そんなときに単純に日本語で面白く読める内容があるというのはありがたいですね。硬いことばで言うならば商習慣とか価値観も一緒に理解する、ということになるのでしょうが、そんなに大上段に構えなくても、単に好奇心がもてるだけで十分と思います。

 やはりコミュニケーションをとってみたいという意欲が湧かない限り、上達のしようもないですからね。

井 洋次郎/V・ランダル・マッカーシー
The Japan Times

ビジネス交渉の英語

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2010年07月27日
ビジネスミーティングの英語表現
さて語学学習系の本で、実際に使ってみて役に立ったものをご紹介します。
英語でミーティングなんてうちの会社ではありえないよ、という方も多いかもしれません。最近、社内公用語を英語にすると発表した会社もありましたが、まだまだ一般の会社では、日本の会社なんだから日本語でやればいい、かえってコミュニケーションがとれなくなる、という意見が多いのではないでしょうか。

でもずっとこれまで日本人だけでやってきた会社でも、ある日突然上司や同僚として外国人と一緒に仕事をしていく可能性は、ないとは言えない世の中になってきました。
これは英語でのミーティングに的を絞った本です。この本はロングセラーらしく、私が買ったのは初版が出てから4年後の11刷の版です。

この本にはさまざまなミーティングのシーンが出てきます。会議が本論から外れてしまったときにどうやって戻すか、意見の対立をどうやってうまくまとめて1つの結論に導くか、など、英語の表現だけでなく会議の進め方そのものについても学ぶこところが大いにあります。もちろん「根回し」はありません(笑)。
実際の会議の進め方のコツが、ていねいに解説されています。

  もう1つ役に立つのは、1つのシーンごとにそのシーンに関連したセンテンスが見開き2ページに渡って集められているところです。これも覚えるようにすることで、表現力がさらに広がるのです。
まずはそれぞれのミーティングシーン内の会話を丸暗記するくらいに繰り返し何度も聞いて、シャドウイングをしながら使えるようにしていくのがいいと思います。
 でももっと大事なのは自分の仕事で実際に使ってみる場面をつくることかもしれません。

ロッシェル・カップ
The Japan Times

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2010年07月25日
持たない贅沢
 最近の本のタイトルはいかにも手にとってもらうことを狙ったような、挑発的な?タイトルが多いのに対して、この本のタイトルは読んで何を言わんとしているのかが一発でわかりますし、イイねその考え、と共感できます。
 それがこの本を買ってみた理由です。
読んでいて、ハッと驚かされるようなことは書いてないのですが、著者自身が身をもって実践している生き方ポリシーであることがよくわかります。
 クルマは持たない、自宅も借家にする、すでにそういった考え方を実践している方も多いはずですが、「余計な」ものをいろいろ持たないことがいかに心を平穏にし、人を幸せにしてくれるのかが、著者の体験に基づいて書かれています。
 それを敢えて「贅沢」と呼ぶかはひとそれぞれでしょうが。
 欲には天井がなく、地獄には底がないという言葉をある相場氏の本で読みました。たしかにそのとおりです。
 ときどきはこういった本を読んで、自分にとって本当に必要不可欠なものは何なのか、単に世の中の人が欲しがるものを自分も欲しがっているだけではないのかを考えてみることも、大事なのかもしれません。

山崎 武也
三笠書房

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2010年07月24日
いつかはハワイ島で暮らす
ビジネスマンの端くれの後期昭和世代?としては、ときどき引退後のことを考えてみたりもするのです。ちょっと前の本ではありますが、数年前、紀伊国屋書店のなかをぶらぶらしていたときにこの本を発見し、これだ!と思いました。その後体験談ベースの似たような本がいろいろ出ているのですが、内容の濃さではこの本がピカイチと思います。
なぜ内容が濃いのかというと、加藤氏が実際の体験から学んできたことがつぶさに書かれているからです。その体験も、単なる別荘探しの体験談ではなく、外国人上司を通して向こうの人々の人生観を実感したことが契機になったという話、不動産に関するトラブル、クルマ社会特有のトラブルなどもすべて体験や見聞きしたこと、趣味の釣りを通して近隣の人々とどんなやりとりをしているのかなど、住処を見つけるまでの経緯や実際の住環境がたいへんよくわかる内容になっているのです。
このあと、氏の著作を何冊か買った私はどうしてもハワイ島に行ってみたくなり、それまでは一度もハワイなど行ったことがないにも関わらず、すぐに休暇を申請すると直行便でコナに飛びました。レンタカーを借り、ハワイ島を一周しながらあちこちのホテルやB&Bに滞在してみました。4000m級のマウナケアに登ってみたり、溶岩の上を歩いたりしながら、加藤氏が書いていたハワイ島とはこんなところなのかと実感したわけです。
残念ながらまだハワイ島に不動産は買えていませんが(笑)、ときどきハワイの不動産屋さんのサイトを覗いたりしながら、「その日」を空想しているのです。

加藤賢一
KANZEN

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2010年07月23日
水木しげる 人生をいじくり回してはいけない
今年の4月に出た、水木さんのエッセーです。水木さんの人生観や幸福論のバックボーンになっているのは間違いなく、ラバウルでの戦争体験やそこでの「土人」との交流でしょうね(水木さんの本にはよく土人という表現が出てきます、ここでも敢えて現地人と書かず「土人」とします。「土」が大事なのです。本書を読むとわかります)。
 土人の社会には「幸せ」という言葉はない、なぜなら幸せかどうかを考える必要がないくらい、皆幸せだからだそうです。土人にも金持ちはいるが(貨幣に使われる貝でつくった首飾りを3つ持っているとお金持ちだそうです)、お金持ちでも暮らし向きは同じで、バナナも豚も食べたいときに食べ、寝たいときに寝る。朝夕だけ畑で働き、あとは花を見たり遊んだり好きなことをやって過ごす。日中は暑いから昼寝している。家には暑くなるからモノは置かないそうです。財産は鍋1つしかないそうです。
 対して我々は、幼少のころから学校や試験、大人になってからは会社の仕事に追いまくられ、自分が人よりも幸せかどうかを気にしている。心から生活を楽しんでいない、ということになるのでしょうか。我々の身の回りには手を伸ばせば食べられるバナナはありませんから、環境の違いなのかも知れませんね。水木さんも、結局人が集まっているところでは金を稼ぐしかない、と言います。でもせめて好きなことをしてそれで楽しんで過ごせる、できればそれで飯を食っていけるようにはなりたいものです。
 好きなことをしても実際に成功できる人は少ないが、氏は「世間がどういうことを要求しているか、勘がはたらいたから」うまくいったそうです。妖怪が好きなだけでなくて、こういうものがウケるという確信もあったんでしょうね。漫画の連載が「暗すぎる」と言われて途中で打ち切りになったり、いろいろ試行錯誤はあったようですが。
 御歳90歳近くでしょうか。いつまでも水木節を聞かせてほしいと思います。

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2010年07月22日
信長(MFコミックス) 怒涛の巻
この「信長」は全8巻なのですが、どの巻もとても感動的なエピソードにあふれ、何度読んでも飽きません。といっても全巻ご紹介というわけにもいきませんので、今回は第6巻から、「敗走・武田勝頼の章」を取り上げておしまいにしたいと思います。
 勝頼と言えば信長との戦クライマックスはやはり長篠の戦いでしょう。この戦いは武田が騎馬軍団の力を過信し、鉄砲を軽視したがために信長の足軽鉄砲隊に打ち破られた戦いとしてよく知られています。実際に武田方の負けっぷりはほんとうにひどかったようで、武田方の死者1万2千、負傷者4千、行方不明者2千。山県昌景をはじめ名だたる武将がこの戦いで討ち死にし、武田の勢いが急速に傾いていったきっかけとなりました。
 しかし勝頼はほんとうにこんな無茶な戦いを仕掛けたのでしょうか。ストーリーでは本日にいる彼は現場の状況がわからず、家臣の忠告にもかかわらず、討ち死にの報告が来るたびに意地になって次々に騎馬隊を突撃させ、かえって損失を大きくしたことになっています。しかし勝頼は戦上手だったという話もあり、実際のところ戦での勝率は非常に高かったようです。私は基本的には自己への過信が失敗の原因だとしても、ここでは突撃せざるをえなかったもっと合理的な背景があったのではないかと思いたいのですが、最近「長篠の戦い」というタイトルの新書も出ているようですので、これも読んで研究してみます。
 ところで騎馬隊というと大きな馬を想像しますが、最近発掘されたこの時代の甲州の馬の骨を分析すると、以外に甲州馬は小さな馬(ポニーってことはないでしょうがね)だったんじゃないかという説があるようです。

原作 工藤かずや
作画 池上遼一
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2010年07月21日
信長(MFコミックス) 風雲の巻
昨日に引き続いて「信長」その第7巻です。
織田信長の生涯には何人かの謀反を起こした人が知られていますが、昨日の明智光秀以外にも今日とりあげる松永久秀や荒木村重がよく知られています。この第7巻では松永久秀が上杉謙信や本願寺と組んで、信貴山城に籠もって反乱を起こす話が出てきます。
松永久秀はこのエピソードの中で、信長が執心していた平蜘蛛という、当時の名物茶器を差し出すならば命だけは助けてやると言ったが、松永はそれを断り城もろとも自爆したという壮絶な最後が伝わっていますが、この漫画の中でもストーリーの大筋は同じです。しかしここでは信長は平蜘蛛を命を助けるための口実として利用した、つまりこの老人を本当は殺したくはなかったのだということいなっています。
実際に久秀は奈良東大寺の大仏を焼き払ったり、主家であった三好家を倒したりと、まさに「下克上」を地でいくような人物です。信長も警戒はしながらも、その強烈な個性に魅力を感じていたのかも知れません。久秀いわく、「反逆こそは戦国武士の本懐」だそうです。

原作 工藤かずや
作画 池上遼一
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2010年07月20日
信長(MFコミックス) 夢幻の巻
 また歴史ものに戻りまして、今回はビッグコミック・スペリオールに連載されていた、「信長」です。たしか城の図面が資料を無断で使用しただかなんだかで(うろ覚えなものですみません)、一時連載休止になり最終的にこの8巻が出たのはかなり経ってからでした。
 なんでいきなり第8巻なんだ?ということですが、一昨日「武将列伝 戦国爛熟篇」でご紹介した「光秀の動機」について、別の解釈があるからです。
 安土城で光秀からの饗応を受けた徳川家康は、その晩信長と語ります。「なぜ光秀につらくあたるのか、忠義一筋の家来をそこまで追い詰めるのは危険かと存ずるが?」と尋ねる家康に、信長は「光秀は秀吉と並ぶ織田家の柱ぞ」「猛将として蘇れぬならば、わしはこの手で光秀を切る」信長は期待している光秀が公家のようになっていくのに我慢がならず、饗応役を途中でとりあげ、領地の丹波もとりあげた上で中国に行って戦って来い(つまり新たな領地は戦いに勝たない限りもらえない)という命令を出した、というわけです。
それにしては辻褄が?と思うところもありますが、これはこれですごく面白い解釈です。義に厚い光秀は、路頭に迷う一族の将来を憂うあまり、ついに主殺しを決断するというわけです。
 本能寺を襲撃された信長は、「そうか、やりおったか光秀」「光秀を甘く見るでない、いった兵を挙げたが最後、万全の構え!逃げる道などあろうはずがない!」と言うのです。
一方光秀は炎上する本能寺を見上げながら、「大殿、光秀にはこれよりほかに道がござらなかった」と涙する、という絵になっています。
 謀反にあったのはこれが初めてではなく、異常に猜疑心の強かった信長がこういう言動をとるかは疑問です。でもこれはこれで1つのすがすがしい解釈ではないでしょうか。ただ私自身はあくまでも、「光秀の個人的な野望説」をとりますがね。

原作 工藤かずや
作画 池上遼一
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