2008年09月03日
「心に思う風景」

「果樹園」はもともとは禿地でしたが、いつか大果樹園になるようにと、毎年せっせと果樹の種をばら播きしている場所。
他にも「蕎麦」「隠し田」「1.5」「アヒル池」等。そのどれも名前と一致しませんが、それぞれそれなりの由来はあります。
日本の自家菜園のイメージとはかけ離れていますが、畑もあります。そこでは耕すことも肥料を入れる事もしません。ただ、種まき前に枯れ草は刈り取ります。種まきは全て私の担当です。
今年は数年ぶりの雨の多い暖かい春先になりました。私は早速「北の畑」の半分に麦をばら播きました。麦は思った以上に水分を必要とするので、今年は春の雨をとても有り難いと思っています。
次は「裏の畑」に空豆を植え付け、その上からやはり麦をばら播きました。そして鳥に食べられない様に、たっぷりと枯れ草をかぶせよく踏みつけておきました。
後は一ヶ月くらいかけて農場中に散らばる自称「畑」に空豆、エンドウ豆、レンズ豆、人参、大根などを播きつける予定です。
いつかここに来られた長野の農家の方が、夏にも霜がおり、一日の気温差が30℃を越えることもある、干魃気味のここの気候を「富士山頂より厳しいかもしれないね。」とおっしゃり、「成る程・・・ある意味当たっているかも・・・」と妙に納得したことがありました。
それでも私は近所の人達のように自家野菜を収穫する為に、大地を深く耕し肥料をたっぷり入れ、ビニールトンネルやハウスを作ろうとは思いません。
天気をみながらの種まきは10月の初旬まで続きます。
種まき直後の枯れ草だけの茶色の景色を眺めながら、私は自分勝手に青々と茂る麦やたわわに実を着ける豆達の姿を思い浮かべます。実際は干魃や冷害で翌年の種を残すのがやっとという年の方が多いのですが・・・。
それでも毎年毎年この時期のこの空想は、私をとても楽しい豊かな気持ちにさせてくれます。
一年では目に見える大きな変化は無くても、気がつくと周りの木々、果樹が成長し、いつの間にか大きな大きな変化の中に暮らしている自分に気付きます。
見上げるような大木が生い茂る自然林、リンゴやモモやサクランボやカリンやプラムがびっしりと実る果樹の森、空豆や麦や大根が野草の様に茂り、野鳥がさえずり、野ウサギが駆け回り、空気が甘い農場。いつも心に思うのはこんな風景です。
それが例え自分の生きている時代に見ることが出来なくても、その過程に私も参加させてもらっているのだと実感し、幸せになれるのです。











