2008年12月29日
「むしゃむしゃ」
パタゴニアに暮らして15年。大雪の冬、大乾燥の夏、冷夏、暖冬・・・毎年違う気候を過ごしてきましたが、今年の夏は慢性的な干魃に加え「青虫」が大発生しています。
12月に咲き誇る「ルピナス」が、花を咲かせるどころか葉っぱも筋しか残っていない状態なのです。
若葉の天麩羅が美味しい「コンフリ」も、これから大きく伸びていく筈の「キクイモ」も、ゴボウも同じ様な悲惨な状態です。何より困ったのは、天然ハッカの葉を食べてしまった事です。ハッカ茶は我が家の名産?で毎年乾燥して一年分のお茶にしていたのです。いつもなら採りきれない程あるのに、今年は全く残っていません。
私が呆然とする傍らで、青虫が美味しそうにむしゃむしゃ葉を食べています。
好みの植物の葉を食べ尽くしてきたので、次は何を狙うのか?と思ったら、困ったことに我が家の貴重な「空豆」「エンドウ豆」に手を伸ばし始めたのです。
「ああ〜、お願い豆だけは食べないで!だいたいタンポポがこんなにあるのに、どうしてタンポポを食べてくれないの!」
と思うのは人間側の勝手な都合なのでしょう。
何とか豆だけは助けたいと灰を振りかけたりしていますが、思ったような効果はありません。
これは我が家だけの現象かと思ったのですが、50km離れた地区でも同じように青虫は大発生していました。草刈りをして単一栽培している畑では、空豆などは茎しか残っておらず、可哀相と思う前に「見事!」と思ってしまうほどでした。
やはり我が家の様に自然農法で、畑に色んな植物がごちゃごちゃ混ざっている方が良いのだと実感しました。
さて、エルボルソンで「有機栽培無農薬野菜」を栽培している人が、画期的青虫対策を教えてくれました。園芸店で売っている「有機栽培殺虫剤(商品名は忘れましたが)」。それをかけると青虫はいちころなんだそうです。
「有機剤だから無害だし、凄い効果があるよ。」
と嬉しそうに話してくれましたが、青虫が死んでしまう物が、人間に無害だとは思えませんでした。
スーパーで簡単に手に入る「除草剤」「殺虫剤」「化学肥料」。人間の都合の為にこうした物を多くの人が家庭菜園でも気軽に使っています。
青虫の大発生は自然のバランスの崩れを示しているのではないでしょうか。
私達は自然の一員として、自然の声にもっと素直に耳を傾けなければいけないと思うのです。


写真は友人の有機農法の
農場です。ソラマメがほぼ全滅です。



2008年12月09日
「人の縁、犬の縁」
最後の学生生活は二十歳過ぎてから入学した北海道農業専門学校でした。全寮制の学校で、女子寮は普通の一軒家。その関係で女子は本科、専攻科合わせて13人の定員でした。
今はどうか知りませんが、私の入学した当時は大学を卒業して来た人、社会人経験者、ブラジルからの留学生などが学生の半分近くは居て、簿記の専門学校卒業後、北海道の酪農実習を一年経験して入学した私でも、それ程目立つ変わった存在ではありませんでした。
この寮生活、学生生活はとても心に残るものでした。こんなに真剣に怒ったり笑ったり泣いたりした事はかつての学生生活ではありませんでした。
卒業の日、同級生だけど2才年上だった親友に
「こんなに沢山の人と深く知り合える事も、こんな素敵な出会いや別れも、ここを卒業してしまったらもう感じることもないんだろうなあ。」
と言ったら「何言っているの。こらからもっともっと多くの出会いと別れが待っているよ。」と言われましたが、その時はこれ以上の人との深い関わりを想像する事も出来ず「そんな事はないだろうな。」と思っていました。
あれから25年、パタゴニアへ来てからでも15年経ちました。今の私は旅行もしませんし勤めに出ている訳でもありません。殆どを農場の中で過ごしています。それなのに、毎年大切なとても深い出会いがあります。それは人だけに限りません。
辛い別れもありました。嫌な思いもしました。けれども、その全てが今の私には欠かすことの出来なかった事だと感じています。
今年の秋、昨年知り合えた友人がご家族と愛犬と遊びに来てくれました。我が家の犬達は初めて見る「服を着た同族」にたじろぎ、次に威嚇し、反撃されびびり、最後は仲良く遊んでいました。
人の縁。犬の縁。不思議な縁。でも素晴らしい縁。
もう2008年も終わろうとしています。今年も面白い年でした。そして来年も素晴らしい年にしようと思っています。新しい出会いを期待して。